あいの保育園

0,1,2歳児懇談会資料① 「遊びの中で成長する」津守 真

0,1,2歳児懇談会資料① 「遊びの中で成長する」津守 真

 幼児期は人間の生涯で独自な時期である。無心に遊ぶ子どもの心には、広く深い宇宙が宿っている。

 子どもがあなたと一緒にいたい、一緒に遊びたいと思っている「いま」を大切にしよう。子どもが近寄ってきたときは、あなたに何かを求めているときである。親しみか、慰めか…。子どもが物を差し出したとき、そのときを逃がさずに心をこめて受けとろう。子どもはきっとあなたの心づかいに応えてくれる。

 自分から始める行為には、子ども自身が展開する未来がある。子どもが始める遊びを大切にし、一緒に楽しみ、自分で納得して終わるのを見守りたい。幼いときから、自分で志したことをやりとげた体験を積むならば、子どもは明日への希望をもつものとなるだろう。

 子どもは遊びの中で自分の心をかくさない。今、目の前でしている小さな行為に、注意深く、愛をもって目をとめよう。子どもと一緒にすごすときは、おとなが学ぶときである。おとなも一緒に成長することによって、子どもは成長する。子どもと遊ぶときに発見することには限りがない。

 今日の一日を満ち足りてすごすことが明日をつくる力になる。特別なことをしなくとも、日常の中に満足と喜びをつくり出すことが、育てるものの仕事である。

 夜、子どもが眠ったあと、散らかった玩具や机の下の小さな紙片を拾い上げるとき、遊んでいたときの子どもの心のあとを見いだす。

 それはもう一度子どもの側に立って考えるときである。

(中略)

 子どもが人問として育つには、生まれたときから、身近なおとなの配慮ある関わりを必要としている。

 最初の人間関係を通して、子どもは自分自身と人間と世界に対する信頼を学ぶ。成長の途上には自らの存在をおびやかされる機会は多くあるが、周囲に対して不信感をもって人生を出発させるのか、世界は基本的に信頼し得るものと確信して生きるのかによって、人生はまったくちがったものとなる。

 子どもとの信頼関係をつくることが、子育ての第一歩である。

 子育ては雑事ではない。人間を学ぶ最善の場である。

令和8年10月30日(金) こりす組 懇談会資料①

著書:子どもの生活 遊びのせかい

監修:津守 真 津守 房江