2017年01月11日 ( 水 )
「風がひゅうと鳴って雪がぱっとつめたいけむりをあげます」
宮沢賢治 『ひかりの素足』より
穏やかな日が続いていた年明けでしたが、11日は風速9mの西南西の風の雪模様という天気予報。どんど焼きを行うべきか躊躇しましたが、子どもは風の子!です。
この賢治の表現がぴったりな吹雪く天気の中、鏡開きそして、どんど焼きを行いました。
寒いならば寒くないように靴下を重ね履き、帽子は飛ばないように、手袋はどうしようか とひと工夫すればいいのです。朝準備万端で登園してくれた子ども達でした。
お母さんにしっかり伝達してくれたようで、その防寒防備の様子に、楽しみにしていることがうかがえました。
正月に保育園に飾ったしめ縄や、家庭から持ち寄った正月飾りにお清めの塩をかけていよいよ点火です。
正月飾りでお迎えした歳神様は、正月飾りを燃やしたどんど焼きの煙にのって空へと帰っていきます。
赤々と燃えていく正月飾りを見つめながら、「どんどん燃えちゃうね」、「なんだか(歳神様がいなくなるのが)もったいないなぁ」と口にする子がいました。目には見えないけれど、たしかに子どもたちの中に「みんなを守ってくれていた神様」として存在していたように感じました(正月飾りがどんどん燃えていく様子から「どんど焼き」と呼ばれるようになったという一説もあります)。
どんど焼きを見ながら、その火で鏡餅を焼いて食べました(合宿でお世話になった青龍寺さんより鏡餅を頂きましたよ)。
鏡開きの日には歳神様の力が宿ったこの鏡餅を家族で食べることで、今年一年健康に暮らせるようにと願いをこめます。
子どもたちと共に火を囲み、同じ気持ちで願いを込めていることにありがたさを感じながら、改めて日本の伝統行事として大切にしていきたいと思った瞬間でした。
「無病息災」「身体健康」「除災招福」「五穀豊穣」を願いながら行ったどんど焼き。
子どもたちは、どんど焼きの願いを聞くと、「むびょう…しょくさい?」と聞き返しながらも、聞きなれない言葉の意味を知ろうと保育士の話に耳を傾けていました。
日本のときおりおりの行事は人々の暮らしが平穏で無事に過ごせますように。災いから身を守り健康で幸福な日々でありますようにと「祈り」がこめられていますね。
年のはじめに今年も一年、たくさんの幸せを感じられますように。