2017年04月01日 ( 土 )
四月は新しい子らが、保育園に来る月である。相変わらずの建物と庭とではあるが、きのうに変わる全く新しい世界になる。相変わらずといっても、保育室は隅々念入りに掃除され、準備に気を入れる人のお部屋では、机の列べ方、戸棚のおき方にも、新しい変わった趣向を試みられるだろうし、額なんかも取り替えられて、面目一新の姿に生まれ変わることも多かろう。保育終了式の日の部屋飾りも、前年度のものというわけで、思い切ってさっぱりと取り除かれて、一切が新規始まりといった気分に生きかえらされるだろう。庭はそうそう位置を移し、総体のたたずまいを変えるということはできないが、そのかわり、人の手よりも自然の手が、地の底から空の上から加えられて、土の光沢も、草の緑も、木々の若芽も、蕾も、花も新しい春に生まれ変わる。まことに、新客を迎えるにふさわしい新しい保育園にならずにいない。そこへ、集まって来る子らが、この新しい保育園を喜ぶのはいうまでもない。
問題は、その新しい子らを受け持つ先生方が、果たしてこの新しい世界の人になりきるかどうかではある。
倉橋惣三選集 より
※郡上八幡の本染の新しい鯉のぼりと武者のぼりです。
4月1日ですので、お祝いしてみました。