節分集会

今日は節分によせて、集会をしました。
数日前から「ねえ、鬼っていつ来るの?」とそわそわしていた子どもたちです。中には、お家から豆を持参で登園した子もいました。


今日の集会では、なぜ豆を投げるのかお話しました。
豆は「魔を滅する(悪いものをやっつける)」に通じるためなのだそうです。
節分のように古来から行われてきた日本の習慣には、こうした言葉遊びのようなものがあり、調べてみるととても面白いものです。
その言葉遊びの中には、「このようになりたい」「こんな世の中になってほしい」という昔の人々の願いが込められているのです。


みんなで、鬼が入ってきそうな方向へ「おにはーそとー!」と豆まきを始めた時、玄関に大きな影が差しました。
棒をドスン、ドスンと響かせて鬼が入ってきたのです!!
ホールにいた子どもたちはびっくりして、隅へ逃げ惑います。
その間も子どもたちは、豆をぶつけて追い払おうと立ち向かったり、保育士の後ろへ隠れながらも、鬼の動向が気になってそーっと確認したりしていました。



鬼は何をするでもなく、ホールの中を見回しお部屋をのぞき込み、歩き回っていました。そして、豆を投げていた保育士の腕をつかんだのです。


「鬼が何かを言おうとしている?」と思ったとき、鬼が手を差し出してきました。
何かをくれと言っているのでしょうか?
もしかして?と思い、保育士が何日か前からホールの上にあった赤くて大きな腕を降ろすと、鬼はそれを受け取って静かに去っていきました。


腕を持って帰った鬼の心情に想いを馳せている子どもたちがたくさんいました。
集会前には「あの手、取りに来るかもしれない」という子や、鬼が去った後に泣きながらも「鬼さ、新しい腕が欲しかったのかも…」と想像したり「心配してきたんだよ。お友だちいないかなって探しにきたんじゃない?」「腕食べるんじゃない?」と様々な憶測をしていました。
そして、「涙ふいたから、もうこわくないよ」と立ち直る姿もありました。
昔からの伝統である節分で豆まきをするのは、子どもたちを怖がらせるためや言うことを聞いてもらうためではありません。
目には見えない邪気をはらい、幸せを呼びこんでいるのです。
鬼は怖いものの象徴とされていますが、その意味合いや成り立ちなどを大切にし、人々の幸せを願う意味を受け継いでいきたいですね。
保育園には、怖い鬼が来たけれど、守ってくれる先生や友だちだっています。
人って素敵だなと再認識する機会にもなるように、とも願っています。

豆まきの後はおたのしみのランチ!



「すごくおいしい~」とニコニコの子どもたちです。「この鬼さん、やさしい鬼さんだね」とランチの鬼の顔を指さしてお話ししている子もいましたよ。
節分が過ぎると暦の上ではもう春です。
世の中の邪気を追い払い、この一年間の幸せをお祈りしております。

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