0、1歳児懇談会資料①

【子どものやる気は安心感から伸びる】
この世に生まれた赤ちゃんの初めの約三ヵ月間は、人生最大の不安定期、緊張期であると申してきましたが、事実、この時期の赤ちゃんの心は不安、恐れにすべて占領されているという状態です。赤ちゃんの五官にやってくる光、音、におい、味、熱、圧力などという刺激は、その赤ちゃんにとってすべて初めてのものばかりですから、その驚きや恐れは大人の慣れ親しんできた感じ方ではおしはかることのできないほど大きく強いものなのです。
親というものはここのところを知って、初めのころの刺激はできる限り柔らかくする必要があるのですが、それでも赤ちゃんの中に不安が起こるのを止めることはできないし、できた不安を取り去ることもできません。
ところが、ここで思い出してほしいものがあります。それは、この赤ちゃんが生まれる前から自分の耳で、聞き覚えて慣れ親しんできたものがあったはずです。そうです、あの二百八十五日間余りの妊娠中ずっと聞きつづけてきたお母さんの声なのです。赤ちゃんが覚えていたこのお母さんの声だけは、赤ちゃんの心の中に不安の起こるのを抑え、できた不安を取り、反対に喜び、安心、満足といった心を作り出すただ一つの強い力を持っているものなのです。
生まれたころの赤ちゃんの心は、すべてが初めての経験であり、その中で恐れ、不安、驚きで、ともすれば小さく震え、縮こまっていきそうになっているのですが、こんなときにお母さんが優しい、柔らかい、温かい、さわやかな声をかけてくれると、赤ちゃんの心はいっぺんに楽しい心に変わり、不安も恐れも吹っ飛び、「母さんがちゃんと見ていてくれる。怖くなんかないぞ」といった自信や、「あれは何だろう、ひとつ触ってみようかな」などといったやる気までも、赤ちゃんは起こしていくのです
生後約三ヵ月間ほどのお母さんの赤ちゃんへの触れ方は、だいたい「壊しては大変、傷つけては大変、病気にしては大変といった「こわごわ」 「おそるおそる」という引っ込み思案型になりがちですが、それでは「やる気」は伸び育っていかないでしょう。
もちろん荒っぽい触れ方は絶対禁物ですが、大事なのは積極的に「楽しい」という気持ちを赤ちゃんの中に作り出すことで、それにはお母さんが優しい声、柔らかい声、温かい声、さわやかな声、明るい声をふんだんに掛けることがいちばんなのです。
子どもの不安感を作る最大のものは何か
生後三ヶ月間ぐらいの赤ちゃんの心は不安に占領されており、その量が多いと赤ちゃんは育ちにくくなり、その量が少ないほど赤ちゃんは育ちやすく、しかも「やる気」といういちばん大事な心が伸びていくものだと申してきましたが、親というものは子どもの中にできる不安の原因といったものを見抜く知恵を持ってほしいと思います。
子どもの生命のリズムを乱すものは心にできる不快と体にできる不快ですが、親というものは、どちらかというと体にできる不快のほうだけに注意を向け、心の不快のほうを軽く考えるという傾向があるものです。
体の不快を作るものは数え切れなくあります。ひもじい、渇く、暑い、寒い、痛い、苦しい、気持ちが悪い、などというものですが、このような体の不快を作るものはちょっと親が注意をすれば察しがつくはずですから、赤ちゃんの衣・食・住の環境を少し気をつけて調べ、それを適当なものに変えることによって比較的簡単にその不快を取り除くことができます。
ところが、このような体にくる不快の原因を比較的良い形に整えてみたのに、赤ちゃんは相変わらず元気がなく、機嫌が悪く、ぐずり泣きが多く、眠りが浅く短い、などというように、良い形になかなかなってくれないと、「これは体のどこかに病気があるのではないか」と、またもや体の病気と結びつけて、心のほうを考える人は非常に少ないものです。
しかし、体の中に病気があるのではと考えるのは少し早合点というもので、これらのほとんどは赤ちゃんの心のほうに不快があり、不安があるからだと言えるのです。この心の波騒ぎは体のほうに不快を作り、不快を大きくし、体までも弱めていきますから、何よりも先に心を不快にし不安にしている原因を取り除く必要があるのです。
心に不快とか不安というものができるということは、みんなその人と触れ合っている人間の触
れ方が悪いのが原因です。 生後三ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんの場合は、ほとんどがそのお母さんの触れ方が悪いのです。
こんなことを言うと「私は、ていねいに、細かく心を配って、柔らかく触れています」と、ほとんどのお母さんに反発されそうですが、ていねいに細心の注意を払うというだけでも不快や不安が子どもの中にできることもあるのです。
食べるもの、着るもの、見るもの、聞くもの、触れるものなどにどれだけ気を配っていても、それに気をとられているお母さんの顔は真剣で緊張し、硬く冷たくなっています。お乳を飲ませながら飲む量や飲み方ばかりを気にし、オムツや肌着を取り替え、風呂に入れながら病気や故障はないかとだけ考えていると、そのお母さんの顔はだいたい事務的で冷たく、口からはあまり言葉が出ず、ものを言っても愚痴や責め言葉ばかりになりがちなのですが、これが赤ちゃんの心に不快や不安を作るわけです。
赤ちゃんの心にできた不快、不安を取り去り、反対に大きな安心、満足、楽しさを作り出す力のあるものは、そのお母さんの声であると申しましたが、このことを反対に見ると、赤ちゃんの心に不快を作り出し、不安のどん底に突き落とす最大の力を持つものも、これもまたお母さんの声であると言えるのです。
お母さんが黙って沈み込んでいたり、その声が冷たく荒々しかったり、にがく、トゲと毒のあるものであったりしたら、その前にいる赤ちゃんの心は恐れと不安とで縮こまっていくのは説明するまでもないと思います。ていねいで注意深くというだけの触れ方では十分ではないのです。子どもの心を楽しくする触れ方こそが大切なのです。
「8秒間のスキンシップ」川合 月海著 より抜粋
令和8年2月 あいの保育園 こりす懇談会資料➀

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