申孝保育園

過去の保育日誌

3月園だより

令和8年 3月1日
No.710 蛯澤美穂子

 春らしい気温の日も多くなり、雪解けが進んできましたね。今年の冬は記録的な大雪でした。この雪の積雪は、なんと40年ぶりの記録的な積雪(183㎝程度)だそうです。保護者の皆さまにおかれましては、雪による交通状態の中の送迎、大変お疲れさまでした。
 災害級の大雪で交通機関がストップする、道幅の狭さによる交通渋滞、そして雪による様々な事故も多発しましたね。雪疲れで心も身体もお疲れの方もいらしたかと思います。しかし、この大雪だからこそ人の温かさがより一層感じられるようになった機会に出くわしたこともありませんでしたか。雪で動けなくなった車を助けあう、除雪作業を一緒に行う、転んだ時に助けてもらったり声をかけてもらうなど、雪国だからこそのコミュニケーションがあちらこちらで増えたように思います。3.11東日本大震災の時も感じましたが、災害は人と人とを繋げてくれる、そして、日頃当たり前になっていたことを見直す機会をも我々に与えてくれているのだと感じます。
 
2月のある日のお昼の休憩中ことです。休憩室の扉がガラガラ~と急ぎ気味で開きました。扉を開けたのは興奮気味のあゆみ先生でした。そして、休憩中のスタッフに「〇〇ちゃんのお父さん、駐車場ツルハシで崩してくれてるよ!」と教えてくれたのです。急いで窓の外を見るとツルハシを力強く振りかざし固く凍った地面を崩すお父さんの姿が見えました。(実は、前日から駐車場と道路の段差をどうにかしなければ!とスタッフで話していました)我々にとっては救世主が現れたのです。さぁ、我々も休憩をしている暇はありません!ちょうどそのとき休憩室にいた麻子先生、ゆうな先生が走り、後から私も駆けつけました。「お父さん、ありがとうございます!」と感激する我々にお父さんは「この段差、うちの車だと無理なのでやってるだけですから!」と話され、その後も黙々とツルハシで崩してくれました。
お父さんは謙遜され「自分のため」とお話されましたが、その行動は決して「自分のため」ではなかったのだと感じます。自分の大切な時間を割き保育園に関わる皆のため、そして地域のためを想っての行動だったと思います。お父さんの姿に「心持ち」が、言葉に「人柄」が視えてきます。我々はお父さんから、雪国だからこその人の心の温かさを感じると共に、我々の園の理念である「生かせいのち」の真髄を学ばせていただいたように思います。

 今年度もあと1ヶ月となります。保護者の皆さん、そして地域の皆さんに支えていただき様々な行事を行うことができたことに感謝いたします。子どもたちを真ん中に誰もが集える場所、そして、子どもも大人も限りあるいのちを生かし合える場所が申孝保育園であれるよう努めてまいります。
よろしくお願い致します。

教育的断片 令和8年3月 須藤孝也

 私たちが幸せなとき、私たちはきっと自由のうちにあるでしょう。不自由のうちで幸福を感じることはないでしょうから。だとすれば、私たちは、幸福を願うのであれば、自由をも願うのでなければなりません。
 自由というのは、やりたいことをやりたいようにできている状態です。つまり、自由には「やりたいこと」と「できること」の両方が不可欠です。やりたいことがなければ自由ではありえませんし、できることがなくても自由ではありえません。
 喜んで散歩しているとき、子どもたちは自由です。とりとめのないことでも、それができることで、やりたいことであれば、それをしているときは自由なのです。大人は子どもよりもできることがたくさんありますが、だからといって大人は子どもよりも自由とは限りません。それがやりたいことに思えなければ、いくらそれができることであっても、自由を感じることはできません。
 子どもたちには、これからもっともっと自由を謳歌して、幸せに生きていってほしいと思います。自由を謳歌するためには、できることを増やしていかなければならないでしょう。身体的にも知的にも、子どもたちはできることやわかることを増やしていくはずです。学びは、私たちの自由に欠かせないのです。
 それからまた、やりたいことを増やすのもまた学びです。どういったことができるのか、それはどんな素晴らしいことなのか、楽しいことなのか、最初はわからないかもしれませんが、だんだんわかってくることがあります。これもまた学びによるのです。
 子どもたちの幸せを願う私たち。その願いは、子どもを自由のうちで活動させることによって果たされます。子どもたちの自由はまだまだ未熟で、原初的なものかもしれませんが、できることややりたいことを増やしていくなかで、彼らはどんどん上手に自由を使いこなせるようになっていくことでしょう。つまり、幸せになっていくことでしょう。自由や学び、そして幸せをこのように考えてみたらどうでしょうか。

今月の絵本
「しろいうさぎとくろいうさぎ」
ぶん・え*ガーズ・ウイリアムズ
やく*まつおかきょうこ

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