2016年04月01日 ( 金 )
「一人の尊厳」
人間は一人として迎えられ、遇せられるべき、当然の尊厳をもっている。ただに人間ばかりでなく、宇宙の一物といえども、もの皆個体の存在をもっているのであるが、人間において、特にその尊厳をもつ。
これは、必ずしも、心理学的にいわゆる個性の別という意味ではない。個性は相対的のものであって、一人の価値はその個性の価値であるが、人間の一人は絶対のものである。各個の人間が、銘々に有する神聖なる尊厳である。すなわち、すべての人間は、その個性を尊重せられる権利をもつと共に、先ずその前に、一人として迎えられるべき尊厳をもっている。
この意味において、一人として迎えないことは、人間の尊厳をおかすことである。一人の一人たることを忘れるのは、人間に対する最根本的の無礼である。
今我等は、新しき子供を迎えた。一団の新入園児を迎えたのでもなく、一組の新入学生を迎えたのでもない。我等の迎えたものは、その一人ひとりである。一人ひとりが、人間としての尊厳をもって、我等の前にあるのである。一人ひとりたることを忘れるのは、人間に対する、すべての誤りの出発点である。一人ひとりたることを無視するのは、人間に対するあらゆる罪の基である。
幼きが故に、一人の尊厳に、一毫のかわりもない。
倉橋惣三著 「幼稚園雑草(上)」より
平成28年度が始まりました。
保育園の4月1日は、とてもとても賑やかです。
子どもたちの声が響き渡っていたホールもお昼寝の時間になるとシーンと静まり、各保育室から子どもたちの寝息が聞こえてきます。
いっぱい遊んだもんね。
ホールで、緑のお庭で、思親の里で、いっぱいいっぱい遊ぼうね。