2017年05月05日 ( 金 )
5月5日、今日は「子どもの日」。
「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、
母に感謝する日」です。
昭和26年5月5日、児童の成長と幸福の実現を願って、宣言的文書として「児童憲章」が作成されました。
そして実は、そのはるか以前、大正12年に倉橋惣三は「一人の尊厳」という小文の中で、
「一人ひとりたることを忘れるのは、人間に対する、すべての誤りの出発点である。一人ひとりたることを無視するのは、人間に対するあらゆる罪の基である。幼きが故に、一人の尊厳に、一毫のかわりもない。」と、子ども一人ひとりを絶対的な存在として認めることを述べています。
その昔、子どもは「神様からの預かりもの」という考えがありましたが、子どもは未来そのものです。その子どもの幸せを願うということが、「絶対的な存在」として認めることです。
そして、子どもの日は「母に感謝する日」とありますが、子どもたちにとってお母さんはやはり「絶対的な存在」です。感謝するということは、その対象とつながり自分の一部となり自分が広がることでもあります。幸せを「願う」だけでなく、幸せのためにどう生きるのかという志の実現を子どもたちへ示していきたいです。
【児童憲章】
われらは、 日本国憲法の精神にしたがい、
児童に対する正しい観念を確立し、
すべての児童の幸福をはかるために、
この憲章を定める。
児童は、 人として尊ばれる。
児童は、 社会の一員として重んぜられる。
児童は、 よい環境のなかで育てられる。
一 すべての児童は、 心身ともに健やかにうまれ、
育てられ、 その生活を保障される。
二 すべての児童は、 家庭で、 正しい愛情と知識と
技術をもって育てられ、
家庭に恵まれない児童には、 これにかわる環境が
与えられる。
三 すべての児童は、 適当な栄養と住居と被服が
与えられ、 また、 疾病と災害からまもられる。
四 すべての児童は、 個性と能力に応じて教育され、
社会の一員としての責任を自主的に果たすように、
みちびかれる。
五 すべての児童は、 自然を愛し、 科学と芸術を
尊ぶように、 みちびかれ、 また、 道徳的心情が
つちかわれる。
六 すべての児童は、 就学のみちを確保され、
また、 十分に整った教育の施設を用意される。
七 すべての児童は、 職業指導を受ける機会が与えられる。
八 すべての児童は、 その労働において、 心身の発育が
阻害されず、 教育を受ける機会が失われず、
また、 児童としての生活がさまたげられないように、
十分に保護される。
九 すべての児童は、 よい遊び場と文化財を用意され、
わるい環境からまもられる。
十 すべての児童は、 虐待 ・ 酷使 ・ 放任その他
不当な取扱からまもられる。
あやまちをおかした児童は、 適切に保護指導される。
分な場合に、 適切な治療と
教育と保護が与えられる。
十二 すべての児童は、 愛とまことによって結ばれ、
よい国民として人類の平和と文化に貢献するように、
みちびかれる。